ダライ・ラマ14世

試写にて鑑賞。チベット弾圧問題やノーベル平和賞受賞で世界的に知られるチベット仏教最高指導者の、ざっくばらんで知的で現実的でユーモアと笑顔が印象的な生身の姿を映し出すドキュメンタリー。その語り口の平明で常識的かつ普遍的なことに感じ入りつつ、もしこれと同じことを、たとえば上司であれ政治家であれ自分の中で「けっ」とか思っている人が言ったとしたらこれほどちゃんと胸に響いてくるかといえばそれはないかもしれないという気もし、大事なのは誰がそれを言うかということなのだなと……。しみる言葉がいろいろあった中で特に印象的だったのは、確か「チベットを出たら、チベットのことが分かった」というようなことを言っていて、この方の場合はやむを得ずの亡命だったわけですが、やむを得ずでなく自ら出ることの大事さも感じた次第。家を出たら、家が見える。組織を出たら組織が見える。ニッポンを出たらニッポンが見える。地球を出たら地球が見える……。
それとはまた別に自分が今たまたま明治時代にほとんど奇跡的に単身チベット入りを果たした僧侶・河口慧海の「チベット旅行記」を少しずつですが読み進めているもので、その意味でも学ぶこと多しでした。
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