グォさんの仮装大賞

こと原題「飛越老人院」。試写にて観賞。
昨年のTIFFで「老人院を飛びだして」のタイトルで上映されたさい、理由は思い出せないけど(我ながら最近物忘れが…^^;)見られずじまいでようやくの初見。張楊監督作品はちょっと悲哀を帯びつつもそれをおかしみや人情味でくるみこんでほっとさせてくれる善良さが(おそらく監督のキャラなのだと思う)心地よいのですが、本作は特に好きな1本となりました。このところ自分も年齢的にいろいろとしみじみとモノ思う介護世代だもので、ディテールのあれやこれやが身近に感じられ、とりわけ劇中、TV局主宰の仮装大会に出場すると言いだした老人ホームの入居者たちを前に家族やホームのトップが「何かあったら誰が責任をとるんだ」「何かあったときに責任がとれない」と一種の責任の押し付け合いになり「何かあっても自分の責任だから行かせろ」とブチ切れる当事者の気持ちがどっかにいっちゃってる的な状況は中国もニッポンも一緒なんだなとほろ苦いものあり。といっても全体はコメディタッチで描かれており、大御所クラスの老優たちをひきたてるような斯琴高娃、廖凡、陳坤らのカメオ出演もほんのちょっとの出番だけどいい感じ。じーさんばーさんばっかりな中で出場者をつのる場面で「80後、90後はダメ」と高齢すぎる希望者にダメ出しをする場面とか噴きました(通常、80後、90後は1980年または1990年以降に生まれた若者をさして使うのであります)。なお、まあどっちでもいいんですけどストーリー的にはグォさんの仮装大賞というよかチョウさんの仮装大賞でした。
公式サイトはこちら