ブリングリング

試写にて観賞。
ソフィア・コッポラ監督の前作「SOMEWHERE」を見たとき「容姿と名声と大金にめぐまれたセレブの精神的空虚さ」が正直ヒトごとな感じだったものですから作品としての完成度よりも「だから何?」みたいな印象が先行してしまったのですが、今回はセレブ大好きかつ自分大好きなティーンエイジャーたちがハリウッドスターの邸宅を狙い撃ちして大量のブランド品を盗み出し“お騒がせセレブ”を疑似体験したあげくとっつかまった(そりゃそうだ)実際の事件をベースにした作品で、ちっとも生活に不自由してない少年少女が意外にあっさり有名人宅に忍び込めてしまうことに味をしめて泥棒ゲームをエンジョイしている幼稚さやイタさもさりながら、それぞれとっつかまったあとの言動に真の病みっぷりを見た思い。当事者だけでなく、病的にポジティブな親とかも相当にやばくて、昔、流行した「みんなビョーキ」という言葉(古!)を何度も思い出しました。撮影には事件の被害者の1人だったパリス・ヒルトンも参加、空き巣に入られても気付かないほど金目のものであふれてるホンモノの自宅を撮影に使わせていてある意味笑えるんですが、いわゆるセレブとそのスキャンダルに群らがって食ってるマスコミだけでなく何かあるごとに高みの見物で楽しんでいる一般人もまた虚像の祭典のまぎれもなく一員であるという意味で自分自身「ヒトごと」とか言えないかもしれないなと…。
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