原題「我的朋友安徳烈」。先の東京国際映画祭で。同名の原作小説の映画化で、本作で監督デビューを飾った実力派俳優・董子健は脚本(共同)および主役の1人安徳烈(=アンドレ)役も兼務。物語は中学時代に親友だった男たちの奇妙な再会のてんまつで、劉昊然演じる主人公の李黙が父の訃報を受けて帰省する機中でかつての親友・安徳烈を見かけて声をかけるも、相手は彼を認識せず、しかし李黙という友人はいると言う。話がよくかみあわないまま二人はその後ともに車に同乗して故郷を目指し、時間軸を行き来する描写の中でそれぞれの過去が浮かび上がってくる。。見ているだけでこごえそうになる寒々とした冬の風景もあいまって、二人でいるときだけが楽しかった彼らの少年時代の回想シーンに胸ふさがる思い。ラストには泣かされた。。映画祭コンペ参加作品であり最優秀芸術貢献賞を受賞したからには日本公開もアリなんじゃ!?という期待を込めてこれ以上は詳しく書かずにおきますが、実際にも親友だという董子健と劉昊然、そしてそれぞれの子役たちがみんな良かった(うち、ちびっこアンドレ役の韓昊霖くんは時代劇ドラマで見覚えあり。名子役なんですね)。原作者の双雪涛は昨年の東京国際映画祭で上映された董子健主演の「平原のモーセ(平原上的摩西)」の原作者でもあり、そこから董子健との縁が始まったのかどうか詳しい経緯は知らないのですがいずれにせよ表題作は83年生まれの双雪涛と93年生まれの董子健というそれぞれのただならぬ才能が出会うべくして出会った感がある秀作で、深い感銘を受けました。
TIFFでは他にも印象に強く残った映画がまだありますが時間もだいぶ経ってしまったので振り返りはここまでとします。らいねんもがんばってちけっととりたいです(棒読み)