少年たちの時代革命

こと原題「少年」。劇場にて。民主化デモが激化する2019年の香港で、若者による抗議の自殺が相次いでいた。父が中国で働き離婚した母は再婚して英国在住のため香港で一人暮らしの少女YYもまた、デモに参加して逮捕されたのをきっかけに孤独と絶望を深め自殺を考える。SNSに投下された彼女のメッセージに気づいた活動家の青年たちはチームを組んでわずかな手がかりをもとに必死でYYを探し回るが・・。香港で上映禁止となり、一方で台湾では先の金馬奨で新人監督賞と編集賞にノミネートされて話題を呼び一般公開もされた本作が、「カム・アンド・ゴー」のリム・カーワイ監督らの尽力により本日(6月4日!)と明日、2日間のみの緊急特別上映のはこびに。上映されること自体大きな意義があるのみならずそれにもまして作品的クオリティの高さ、とりわけ記録映像と本編が違和感なく合体した編集とカメラワークのシャープさに感銘を受け、はっと息をのむエンディングでは思わず涙。。。上映後のリモート・トークは機材トラブル等でいささか残念なことになりましたがそれはそれで緊張感というか貴重さがいやましという感じもありでした。もっといろいろこの作品について知りたいという方は中文ですがこちらとかこちらとかを参照されてください。

ちなみに、共同監督の一人であるレックス・レンは漢字で書くと任侠(かっこよすぎ)。ルックス的にもそんな雰囲気で、低予算だったのと、見た目警官っぽいということで劇中で暴力警官を演じてもいます(あとから知った)。また、ちょうどそのシーンを裏通りで撮影中、ホンモノの警官たちに見咎められ、役者ともども逃走したそうで、警棒で殴られて流血した(設定の)役者さんがその扮装のままだったのでそうとは知らない一般人たちをドン引きさせたという裏話もインタビュー記事で語られていました(そらそうですよね)。