こと原題「GENSAN PUNCH」（GENSANは物語の舞台になっている地名で、ジェネラル・サントスの略語だそう）。オンライン試写にて。義足を理由に日本でプロ・ライセンスの申請を断られフィリピンに渡りプロになった沖縄生まれのボクサーの実話をベースに、同じく沖縄生まれの国際派俳優・尚玄が主演とプロデュースを兼ねフィリピン映画界の重鎮の１人ブリランテ・メンドーサ監督がメガホンをとった、メンドーサ監督初のスポーツ映画。自分はボクシングについてはしろーとなので認識がまちがっていたらご指摘願いたいのですがマニー・パッキャオに代表されるようにフィリピンでボクシングはハングリー精神やアメリカンドリームならぬフィリピンドリームを体現する競技という印象があり、本作でもファイトマネーを故郷の親に仕送りするという若いボクサーたちと共に上を目指す主人公が良くも悪くも未知の環境でもまれながらひと皮もふた皮もむけていく姿を、政治的・社会的テーマにがっつりと切り込む手腕に長けたメンドーサ監督が従来よりいくぶんかウェットな人間ドラマとして描きつつ熟練の味わいはさすがの安定感でした。
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