董夫人

原題同じ。70年の国語映画。香港映画発展史探究@国立映画アーカイブにて、初見。

そうなのです初見なのです、2005年に香港電影金像奨協会が選出した「最佳華語片一百部」の第20位にランクインという評価的にも映画史的にも超有名な作品なんですが遅ればせながら見ることができました。毎度のことながら国立映画アーカイブさんありがとうございます。映画は明の時代を舞台に、夫亡きあと貞節を守りながらつつましく暮らす知識人女性の家に騎兵隊の隊長が滞在することになり、夫人とその娘とがそれぞれに隊長に対し心を動かされる物語。美しく上品な主人公(盧燕がすばらしい)が珍しくめかしこんだもののまた口紅を拭き取って自己を律したり、やがて次第にじわじわと不穏な表情をかいま見せるようになったりするスリルといったら。。終映後には韓燕麗教授によるトークがあり、ありがたみが数倍増し。本作が香港映画としてはきわめて異端であることや、ベースになった民話とそれを改編した小説とさらにそれを本作がどうアレンジしたかとか、唐書璇監督が映画を撮りに香港へ主演女優の盧燕を連れて戻ってきたいきさつとか、撮影中の喬宏とのトラブルとかとか全てが興味深すぎてもっともっと聞きたかったです。