グレタ ひとりぼっちの挑戦

本日ちょうど世界気候アクションの日、に合わせてというわけでもないのですが一昨日試写で観たタイミングとほぼ重なりました。15 歳でただ一人ストックホルムの国会議事堂前で気候変動に警鐘をならすストライキを始め、短期間のうちに世界的有名人となったグレタ・トゥーンベリ(現在18歳)の活動を追ったドキュメンタリー。まだまったく無名で、単独でストライキを始めた時期から撮影が行われていたことにちょっと驚き、もしかして親が撮っていたのかと思ったら本作のネイサン・グロスマン監督が友人を介してトゥーンベリ一家と知り合ったことから映画になるかどうか未定のまま撮影を始めたというのをプレスで知って納得。結果的にまるで家族が撮ったかのような親密さと一定の距離感をあわせもつ、一人の稀有な活動家が誕生し注目を集めるにつれマスコミや国際的機関に一種の消費され利用される存在となりはなはだしくはトランプをはじめとする一部の権力者たちから「あの生意気な子どもを黙らせろ」的な攻撃対象になる過程を目の当たりにする作品となっており、気候変動への危機感とその対策を本気でとろうとしない大人たちへの異議申し立てをあくまで知的に強固にあらわしつつその表裏一体のところでガラスのような繊細さをかかえた少女の姿に、アスペルガーというハンディとも強みともいえる側面については本作のテーマではない(あるいはテーマの1つだとしても主要なテーマではない)と思うけれどもそのことが彼女の存在自体をある意味で啓示として世に知らしめたのかもしれないという心持ちも。。

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