叔・叔

レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜にて。

19年の金馬奨、20年の金像奨をはじめ香港・台湾の映画祭にて数多くノミネートあるいは受賞を果たし、とりわけ太保が天下の金像奨主演男優賞に輝いた話題作をようやく見ることができました。レインボー・リール東京さんありがとうございます。家族持ちの隠れゲイである初老の男2人をめぐる愛と家族と社会とのかかわりの物語は、純度百パーセントの香港ローカル作品。我らが太保と袁富華の熱演とか力演とかではなく抑制的で滋味にみちた(それでいて欲望にかられる場面でははっとするほど生々しくもあり)名演にもしみじみうたれました。香港映画らしいというべきか大勢で卓を囲む食事風景が繰り返し出てきて、ごく庶民的な家庭料理中心だけどそうであればあるほどたまらなくおいしそうでおなかがぐうぐうなりかねない映画でもありました。