マルモイ ことばあつめ

大阪アジアン映画祭の上映作品で、早々にチケットが売り切れたようですがさいわい5月に劇場公開が予定されている話題作。一足お先に試写にて観せていただきました。「タクシー運転手 約束は海を越えて」の脚本家オム・ユナによるこの初監督作(脚本も)は、日本語と日本名の使用を強要された日帝時代の韓国で多彩な方言を持つ母国語を消滅させまいと厳しい弾圧のもと命がけで辞書編纂にとりくんだ人々の苦闘を描く、史実ベースのフィクション作品。ことばあつめという「ことば」好きにはグッとくるサブタイトルとほのぼのとしたポスタービジュアルから「舟を編む」的なドラマを勝手に予想というか期待していた自分の認識不足にガツンと釘をさされつつ、ユ・へジンとユン・ゲサンの組み合わせの妙と好演に笑わされ泣かされる感動作で、あの時代の日本軍の傲慢さ外道さが今なおはびこるヘイト意識の元凶であることにあらためて胸ふさがる思い。だからこそという意味合いもこみで必見です。

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