長江 愛の詩

日劇場にて観賞。楊超監督が10年がかりで完成した、16年のベルリン映画祭銀熊奨(芸術貢献賞)受賞作。上海を出発し長江を上流へ向かうオンボロの貨物船。父親の遺した詩集に導かれるようにして停泊先で繰り返し同じ女と出会う男。中身を知るべきではない積荷。静かな怪物のような三峡ダム。いつしか乗船員がいなくなり、男はたった一人で長江の源流へと船を進めていく…。純文学的アートフィルムであり、今の場面はどういう意味だったろうかと考えるのを早い段階でやめて、ただただ悠久の流れにゆられながら長く孤独な眠りの中で不思議な夢を見たような詩的で美しいものさみしさにひたっているうちなんだかいつまでも見ていられるような感覚になり、最後は何か胎内回帰のような心持ちに。。李屏賓のカメラワークがいつもながら素晴らしく、主演の秦昊と辛芷蕾もすごくよかった。
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