こころとからだの平和バトン(2日め:アジア関係)

あの国を旅したいとか、あれが食べたいとか、あの新作映画を見に行きたいとか、考え出すととまらなくなってしまう魅惑のアジア。まあアジアに限らず行きたい国や食べたいものは世界中たくさんあるのですが、今回はアジアがらみで「香り」「におい」についてちょっと書いてみます。
実は、ともったいぶるほどのことでは全然ないけど自分はアロマセラピストの資格を持ってます(公益社団法人・日本アロマ環境協会認定)。単に持ってるだけで“らしい”ことは何もしてないんですが、なぜにアロマの勉強をする気になったかというと、かつてバンコクのカオサン・ストリート界隈で超庶民的なマッサージ屋さんを見かけて「ちょっと揉んでもらおうかな」と入ったことがそもそものきっかけ。ローズマリーのオイルを使っての全身トリートメントがなんとも心地よく、滞在中に3回通い(2回だったかも)、次に旅行したときもまた同じところを探して行ったほどでありました。
その頃は資格うんぬんという発想は全然なかったんですが、一昨年なんとなく思い立って某アロマスクールに通ったら、これが思いのほか(失礼な)面白かった。若い女性受講生たちに混じってン十年ぶりに試験対策問題集など一時期ごりごりやっておりました(今はもう半分くらい忘れちまいましたトホホ)。
で、基本中の基本として教わった中で、「そうなのか!」と目うろこだったのが、五感と総称される視覚、聴覚、触角、味覚、嗅覚のうち、嗅覚は生物の進化においてもっとも原始的な感覚ということ。知ってる人も多いかもしれないけど、自分は知らなかったんですよ。
以下、「アロマテラピー検定 公式テキスト1級」(日本アロマ環境協会、2012年版)p72~73から部分引用します。

……嗅覚の生理メカニズムは他の感覚と異なって、刺激が新皮質を経ず大脳辺縁系に直接伝えられて、身体を直接的に調節するという特殊性がある……

……視覚や聴覚は刺激を受け入れる一時中枢(視覚野・聴覚野など)が大脳新皮質にあり、そこで認識されたあとに大脳辺縁系に伝わりますが、嗅覚の場合は(中略)大脳辺縁系に受け入れられたあとに大脳新皮質で認識されます。そのため大脳新皮質の認識を持たずに直接的に身体調節にかかわるのです。

えーと、なんのことか分からなかったらすいません。ぶっちゃけていうと、見たり聞いたり味わったり触るときは「これは○○だ」という認識を超速で経て大脳辺縁系(生命維持や固体保存にかかわる中枢。本能を制御する)に届くのに対し、においはその認識過程をすっとばしてダイレクトに大脳辺縁系に届く。さらにぶっちゃけていえば、理屈抜きで自分がそれを好きかキライか、安全か危険かを察知せしめる。これ食べたら身体こわす!とかこのにおいがする生き物は敵!みたいのが誰に教わらなくても一度も経験したことがなくても分かる(ように本来できてる)感覚、それが嗅覚ってことです。
これを2回目くらいの授業で教わったとき、けっこうテンションあがりました。香りの好き嫌いは理屈じゃないんだなと。
もちろん、記憶を刺激するにおいというのもいっぱいあって、このにおいはあの経験を思い出すから懐かしいとか逆にキライだみたいなことも多々あるわけですが、個々人にとって初めてかもしれなくても本能的に惹かれるにおいは確実に存在し、それがアロマの効能の大きな1つであるリラクセーションに結び付くメカニズムがすとんと腑に落ちました。
で、なんかえらく長くなってしまいましたが、ようするに香りの好き嫌いは基本的に理屈じゃない、だから自分が好きな香りには正直であること。気持ちよく感じる香りや気分がアガるような香りは、ダイレクトに身体にも精神にもプラスに作用するので、活用してみてはいかがでしょうかという話です。好みのアロマオイルをお風呂に3〜5滴ほど入れてみたり、アロマと関係なくパクチーが好きならパクチーいっぱい摂って気合いを入れるとか、なんでも効果があるならいいと思います。
ちなみに自分はジャスミンライスを炊いてる時の幸福感がはんぱなく、総じてアジア系の香辛料はそそられるし、ニッポン的な出汁の香りや、イタリアン的なガーリック臭もよいですなあ。アロマでいうとローズマリーフランキンセンス、ウッディ系、ローズ系、シトロン系とか癒されます。

と、またまたテーマに沿ってるんだかずれてるんだか、多分ずれてきてるので、本日はこれにて。
最終日の明日は合気道ネタ、ちょっとスピリチュアル寄りかもです。